あずきのたんぱく質について

「あん」の主要成分であるタンパク質についてのお話しと、どのようにして生豆から「あん」ができるのかということについてお話しします。「あん」を作る原料として使う豆には澱粉とタンパク質はほぼ2:1の比率で含まれていると言われています。その中でも小豆の場合、澱粉が全体の約50%、タンパク質が全体の約22%をしめています。

タンパク質はそのアミノ酸組成や機能などによって数種類に分類されています。その中でも小豆はアルブミン、グロブリン、グルテリン、プロラミンというタンパク質を含んでいることがわかりました。特にグロブリンはその約70%を占める主要タンパク質です。また、小豆の「あん」に含まれるタンパク質もグロブリン系のものであることも確認しました。

一般に、大豆から「あん」は作ることが出来ないことは良く知られています。その一番の原因は大豆の澱粉にあると言われています。しかし、もう一つの原因としてタンパク質の「疎水性」といわれる“水となじみにくい構造”も「あん」の形成と深い関わりがあることがわかりました。大豆のタンパク質に比べて、小豆のタンパク質は加熱されることで変性し(タンパク質の構造や性質が変化することをいいます。例えば、生の卵を加熱すると白身や黄身が固まるのはタンパク質が変性したからです。)、水となじみにくい「疎水性」の部分に大きな変化が見られます。この変化の大きさの違いによって「あん」ができるかできないかが決まることがわかりました。
では、実際にどのようにして澱粉とタンパク質から「あん」ができるのかを説明します。

豆の皮に包まれているほとんどの部分を子葉といいます。その子葉の一つ一つの細胞は、一番外側が細胞壁で囲まれています。そしてその内側には細胞膜に包まれた小さな部屋があり、その中に澱粉とタンパク質、微量のミネラルが存在しています。この細胞を子葉細胞といいます。下の図は子葉細胞がどのようにしてあん粒子になるかを説明したものです。

生豆の子葉細胞の中では澱粉粒子とタンパク質粒子は別々に存在しています。しかし、吸水し加熱されると十数個の澱粉粒子をタンパク質が包み込んだ構造に変化します。こうしてできたのがあん粒子で、この様にして生豆から「あん」ができると考えられています。

小豆子葉細胞の顕微鏡写真

小豆あん粒子の顕微鏡写真

このように、澱粉とタンパク質と「あん」の関係がわかってきました。この研究内容をもとに、よりおいしい「あん」を作っていくことが私たちのこれからの課題であると考えています。

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